《 バルナックライカ・エルンストライツ 》
ライカを製造していたエルンスト・ライツ(Ernst Leitz)社の創立は1849年である。ライツの生まれたドイツのウェッツラー(Wetzlar)は、18世紀初頭から光学関連産業が集まっていた。ライツははじめは顕微鏡などの光学機器を製造する会社であった。 ライカの考案者はオスカー・バルナック(Oskar Barnack、1879〜1936)である。彼はドイツのブランデンブルグ近郊に生まれ、義務教育を終えた後、マイスターとなるためいくつかの工場で修行を積んだ。そして1902年に当時最先端の光学技術を有していたイエナのカール・ツァイス財団に入ることができた。しかし健康状態に問題があったバルナックは、約10年間働いたがついに正社員の待遇を得ることができなかったという。 1910年頃、ライツでは新たな技術者を求めていたが、バルナックを知る人がエルンスト・ライツII世(1871〜1956)に彼を紹介、バルナックは、1911年1月からライツで働くこととなった。エルンスト・ライツに入社した技術者オスカー・バルナックは、1912年に映画用カメラを試作した。そのフィルムをいじっているうち映画1コマと同寸法の小型スチルカメラを試作することにした。 キノテッサー5cmを装着してテスト撮影したが、原版が小さすぎてハガキサイズ程度にしか引き伸ばせなかった。次にバルナックは35mm映画用フィルムの2駒分を使用する小型カメラを2台試作した。これは後にライカの起源として「ウル・ライカ」と呼ばれることになるが、この試作機が映画用フィルムの2コマ分である24×36mm判になった理由として、「試写の品質に満足できず2コマ分にしてみたらうまく行ったのでそれに決めた」という説と、「必要な面積を計算して2コマ分に行き着いた」という2つの説がある。2台のうち1台はバルナック自身が使い、もう1台はエルンスト・ライツ1世(Ernst Leitz I )に贈られた。 1920年にはエルンスト・ライツ1世が亡くなり、跡を継いだエルンスト・ライツ2世(Ernst Leitz II )がウル・ライカに着目、改良を加えさせた。折しも大不況の中、社内会議で発売中止に傾く中、エルンスト・ライツ2世はこれを製造に移すと宣言し、「ライツのカメラ」(Leitz Camera )との意で「ライカ」と名付け1925年に市販一号機ライカI(A)を生産、販売することになった。 それまでのカメラは密着焼きにより写真を作るのが主流であったが、ライカはフィルムが小さく引き伸ばしを前提としたため、当時一般的でなかった引き伸ばし機が当初からシステムの一環として販売された。拡大に耐えるネガを作るために高性能のレンズが必要とされ、レンズ開発の技術者マックス・ベレークはライツ・アナスチグマート(Leitz-Anastigmat )をはじめとするさまざまな銘玉を世に出した。
カメラ名 ライカA 製造年月 1925年
製造国名 ドイツ 製造メーカー エルンスト・ライツ
使用フィルム 135 サイズ・枚数 2.4×3.6cm 36枚撮り
シャッター FP スピード B,1〜1/500
レンズ名 エルマックス 焦点距離 50mm F3.5
最初に発売された型で、のちにA型と名付けられた、総金属製の合成ゴム張り。レンズはエル50ミリf3.5固定装着。1926年からエルマー50ミリf3.5、1930年にヘクトール50ミリf2.5となった。

カメラ名 ライカB 製造年月 1926年
製造国名 ドイツ 製造メーカー エルンスト・ライツ
使用フィルム 135 サイズ・枚数 2.4×3.6cm 36枚撮り
シャッター 旧&新コンパー スピード B,1〜1/300
レンズ名 エルマー 焦点距離 50mm F3.5
総金属製の合成ゴム張り。A型スローがないので、レンズシャッターを取り付けた。1926年は旧コンパー付き、1930年に新コンパー付きになったが人気はなかったみたいである。製造台数は1500台に足らずで中止になった。

カメラ名 ライカC 製造年月 1930年
製造国名 ドイツ 製造メーカー エルンスト・ライツ
使用フィルム 135 サイズ・枚数 2.4×3.6cm 36枚撮り
シャッター FP スピード B,1/20〜1/500
レンズ名 エルマー 焦点距離 50mm F3.5.0
レンズ交換式で、35ミリと135ミリのレンズが用意されたがレンズの互換性がなくて、ボディごとに3本のレンズのピンと調整がされた。6万台以降のボディは、レンズ交換可能となった。

カメラ名 ライカU(D) 製造年月 1932年
製造国名 ドイツ 製造メーカー エルンスト・ライツ
使用フィルム 135 サイズ・枚数 2.4×3.6cm 36枚撮り
シャッター FP スピード B,1/20〜1/500
レンズ名 ズマール 焦点距離 50mm F2.0
 初めて連動距離系となった、またレンズのヘリコイドが半回転で1mまで照準できるようになった。がシャッターは1/20〜1/500で他の性能もC型と同じであった。後期になってクローム仕上げのボディが発売されている。

カメラ名 ライカV 製造年月 1933年
製造国名 ドイツ 製造メーカー エルンスト・ライツ
使用フィルム 135 サイズ・枚数 2.4×3.6cm 36枚撮り
シャッター FP スピード B,1〜1/500
レンズ名 ズマール 焦点距離 50mm F2.0
シャッターに1秒〜1/20スロースピードがつけられた、またアイピースに1.5倍の拡大鏡が付いた。またこの時に自動焦点引き伸ばし機フォコマートトが発売された。

カメラ名 ライカVa 製造年月 1935年
製造国名 ドイツ 製造メーカー エルンスト・ライツ
使用フィルム 135 サイズ・枚数 2.4×3.6cm 36枚撮り
シャッター FP スピード B,1〜1/500
レンズ名 ズマール 焦点距離 50mm F2.0
シャッターに1/1000スピードがつけられた、ほかは3型とは同じであるが、この型からクロームメッキのクロームライカが登場した。

カメラ名 ライカVb 製造年月 1938年
製造国名 ドイツ 製造メーカー エルンスト・ライツ
使用フィルム 135 サイズ・枚数 2.4×3.6cm 36枚撮り
シャッター FP スピード B,1〜1/500
レンズ名 エルマー 焦点距離 50mm F3.5
ファインダーの覗き窓と距離計の覗き窓の二つが密着した。

カメラ名 ライカVc 製造年月 1940年
製造国名 ドイツ 製造メーカー エルンスト・ライツ
使用フィルム 135 サイズ・枚数 2.4×3.6cm 36枚撮り
シャッター FP スピード B,1〜1/500
レンズ名 エルマー 焦点距離 50mm F3.5
Vc型では性能をアップさせ、構造を変えている、シャッター部にボールベアリングを入れ運動を借るスムーズにしてフィルム枚数カウンターを巻上げごとに回転させ巻上げの部を1回転冴えると1メモリだけ送られる。またスロースピードのダイアルが1/30になった。 カメラ軍幹部とマウント部が一体型になった。またスロースピードのダイアルが不用意に動かないようにストッパーがつけられた。

カメラ名 ライカVd 製造年月 1940年
製造国名 ドイツ 製造メーカー エルンスト・ライツ
使用フィルム 135 サイズ・枚数 2.4×3.6cm 36枚撮り
シャッター FP スピード B,1〜1/500
レンズ名 ズマール 焦点距離 50mm F2.0
初期段付きVc型にセルフタイマーを組み込んだもので、セルフタイマーの型は後期のVf型やVg型と同じスタイルである。

カメラ名 ライカスタンダード 製造年月 1933年
製造国名 ドイツ 製造メーカー エルンスト・ライツ
使用フィルム 135 サイズ・枚数 2.4×3.6cm 36枚撮り
シャッター FP スピード B,1/20〜1/500
レンズ名 エルマー 焦点距離 50mm F3.5
アメリカではE型といわれていて、1940年まで作られ、C型と同様に距離計に連動せず、シャッタースピードもB、1/20-1/500までである。A型と違ってレンズ交換ができる。黒エナメルとクロームボディがある。フィルム巻き戻しのノブの背が高くなっている。

カメラ名 ライカVf 製造年月 1954年
製造国名 ドイツ 製造メーカー エルンスト・ライツ
使用フィルム 135 サイズ・枚数 2.4×3.6cm 36枚撮り
シャッター FP スピード B,1〜1/500
レンズ名 ズマリット 焦点距離 50mm F1.5
初期段付きVc型にセルフタイマーを組み込んだもので、セルフタイマーの型は後期のVf型やVg型と同じスタイルである。

カメラ名 ライカVg 製造年月 1957年
製造国名 ドイツ 製造メーカー エルンスト・ライツ
使用フィルム 135 サイズ・枚数 2.4×3.6cm 36枚撮り
シャッター FP スピード B,1〜1/500
レンズ名 エルマー 焦点距離 50mm F3.5
最後のネジマウントとなったのがこの型で、ライカの完成型と言われるカメラである。最も大きな改良点はファインダーで、大きな対物窓と極めて小さい明り取り窓を持つブライとフレーム、パララックス自動補正方式となり、 50ミリ用の視野の中に90ミリ用視野が見られるようになっている。